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相続放棄手続きは自分でやる方がいい?専門家に頼む場合と徹底比較!

相続手続きは自分で行うことができる。

ただ自分でやるか、専門家に頼むのか迷う人は少なくない。

結論としては、手続きが簡単な人は自分で行いつつ、複雑な場合は専門家に頼んだ方が良いだろう。

今回は相続手続きを自分で進められる人と専門家に依頼した方が良い人の特徴について紹介していく。

さらに、自分で手続きする際の注意点もいくつか紹介しているので、手続きに失敗したくない人はぜひ参考にしていただきたい。

目次

手続き自体は難しくない

実は相続放棄手続き自体は難しくなく、自分でも手続きできる。

書類を集め、所定の家庭裁判所へ提出し受理されれば放棄完了だ。

ただ以下のような場合は、専門家へ頼んだ方がスムーズに進む場合もある。

検討するケース
  • 相続放棄の判断に迷っている
  • 相続争いが発生しそうで穏便に済ませたい
  • お金に関することを親族に相談したくない

自分が放棄すべきかは「相続放棄とは?基本情報をわかりやすく解説!自分は検討すべきか確認しよう」で解説している。

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自分で行うメリット・デメリット

メリット

自分で行うメリットは以下の通りだ。

メリット
  • 費用を抑えられる(3,000円程度)
  • 相談する手間がかからない

メリットは専門家へ支払う費用を抑えられ、専門家を探す手間や相談する時間がかからないことだ。

書類を自分で取り寄せて申請すれば、申請にかかる費用は書類取得と申請金額のみで済ませられる。

相続放棄は重要な手続きであるので、自分に合う専門家が見つけられなければ安心して任せることができないだろう。

市区町村役場では相続関係の専門家による無料相談も開催されているので、上手く活用すれば専門家へ相談しながら手続きを行える。

  • ちょっとわからないことを聞きたいが、出費は抑えたい
  • 自分のペースで進めたい

上記のように専門家に相談できる安心感を得ながら、費用を抑えられる良いとこ取りをしたい人にぴったりだ。

市区町村役場への相談については「相続相談先はどこにすべき?よくあるトラブル別一覧表と費用削減のポイント」で詳しく紹介している。

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デメリット

デメリット
  • 知識が必要
  • 何かあったときに自力で解決

反対に申請する際には、専門家に頼れないため自力で調べることになる。

役場での無料相談は時間が決められているため、複雑なケースは対処しきれない。

さらに自分が放棄すべきか判断するためには、深い専門知識が必要だ。

相談放棄を行ったことで不利益を被ってしまう可能性もあるため、メリットとデメリットをしっかりと理解して総合的に見極めなければならない。

専門家に頼むメリットデメリット

メリット

専門家に頼むメリットは以下の通りだ。

メリット
  • 相続全般について相談できる
  • 正確に手続きしてくれる

もちろん放棄すべきかどうか、自分の現状に合わせたアドバイスをもらえる。

負債が多いなどよくある放棄すべきケースに当てはまらないが放棄をしたいと思っている方は、専門家の指示を仰いだ方が良いだろう。

1番大きなメリットは、放棄以外にも相続手続き全般について頼れることだ。

相続は人生でそう何回も起こることではない。慣れていない相続手続きを進める際にいくつか疑問点や不安材料が出てくることも多いだろう。そんな時に専門家はあなたの心強い味方となる。

また相続放棄に強い専門家を選ぶことで、確実に正確に手続きを進めてくれる。

仮に期限を過ぎた場合でも自分で手続きを行うより、家庭裁判所に延長申請を認めてもらいやすくなるのだ。

相続放棄の期限については「相続放棄手続きは自分でできる!費用・期限・注意点を初心者向けに解説!」で解説している。

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デメリット

デメリット
  • 費用がかかる(2~3万円程度)
  • 相性の良い専門家を見つけるまでに時間がかかる

専門家に頼む際には、出費がかさむ

事務所ごとに変動するものの2万円 〜 3万円はかかると見ておいた方が良い。

自分で行うと数千円程度で行えるので、費用は10倍も増加してしまう。

さらに、自分と相性の良い専門家を探す手間もかかってしまう。

自分で進められる人

自分で行うメリットとデメリットを踏まえて、自分で放棄を進められる人は以下の通りだ。

  1. 相続関係がシンプル
  2. 平日に時間が取れる
  3. 費用を抑えたい

シンプルな手続き

以下のような場合、専門家へ依頼しなくとも自分で行いやすい。

  • 相続人が自分だけ
  • 自分が被相続人(亡くなった人)の配偶者や子供

集める書類の数も少なく済むため、シンプルで手続きしやすい。

特に自分1人しか相続人がいなかった場合は、他の相続人を気にしなくていいので、ストレスフリーかつマイペースに行える。

ちなみに「誰が相続するのか」については「相続順位はどうやって決める?当てはめるだけでわかるケース別の具体例」で紹介している。

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相続人の決定方法を知りたい方はご覧いただきたい。

平日に時間が取りやすい人

スムーズに進めば、1、2週間程度で手続きは完了する。

ただし相続手続きの際には市区町村役場で書類を取得したり、家庭裁判所へ出向いたりすることもあるだろう。

郵送で手続きを済ませられるが、何かあった時に動きやすいのは公的機関が開いている平日だ。

働きながらだと平日に時間が取れず、放棄完了までに時間がかかってしまう場合も少なくない。

相続発生から3ヶ月後までに申請を行う必要があるので、その3ヶ月間にある程度時間が取れるか否かで手続きを自分で行うか判断するのが良いだろう。

必要書類については「相続放棄の必要書類まとめ!申請者別の入手方法と記入例、注意点3つ」で紹介している。

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費用を抑えたい人

専門家へ依頼すると数千円で済む手続きが数万円もかかってしまうことになる。

正確に進められる強みはあるものの、費用をなるべく抑えたい人は自分で見ることをおすすめする。

戸籍謄本の取得(数千円) + 収入印紙代800円 + 切手代500円程度

自分で手続きする際に、最低限必要になる金額は数千円程度だ。

専門家への依頼を検討した方がいい人

専門家への依頼を検討した方が良い人は、一言で言えば「シンプルでないケースに直面している人」だ。

ちなみに相談先は、相続放棄するかどうかの相談は弁護士、書類を取ってきてもらい代理手続きを頼むなら司法書士へ相談することになる。

弁護士への依頼については「相続で弁護士は必要?相談すべき人・ケース別費用をまとめて解説!」で紹介している。

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自分が両親、兄弟姉妹で相続人

相続放棄する人が両親や兄弟姉妹の場合、求められる書類数が多くなる。

そのため、手間を考えるのであれば専門家へ依頼した方が良いだろう。

ちなみに兄弟姉妹が相続するケースは相続トラブルにも発展しやすい。

自分自身に兄弟姉妹がいた場合は「どのようなケースで相続が発生するのか」を「相続放棄のデメリット・メリットは?後悔・損しないための注意点7つ!」の記事で確認しておくことをおすすめする。

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期限に間に合わなさそうな人

相続放棄は相続発生から3ヶ月までに書類を提出しなければならない。

残り1ヵ月しか猶予がないのにまだ相続放棄するか決めかねている人は、専門家へ相談して延長手続きをしてもらうと良い。

ちなみに期限を超えてしまった場合でも、諦めずに専門家に相談したことによって延長が認められたケースもある。

ただし期限直前の着手金額は通常よりも費用が高額になるため注意が必要だ。

債権者との間に入ってもらいたい人

相続放棄を行うことで被相続人の借金返済義務はなくなるが、借りていた債権者への連絡は必要となる。

正確に言えば債権者への連絡はしなくても問題ないが、取り立ての連絡が来た際には必然的に放棄をした旨を伝えることになる。

「相続放棄をした = 私はお金を返しません」と主張することになるので、いくら返済義務はないといってもお金の話は伝えにくいのではないだろうか?

その時に専門家がいれば、債権者への連絡をそっくりそのまま任せることができる。

しつこく取り立てを行ってきた場合にも適切に対処してもらえるので安心だ。

平日に時間が取れない人

3ヶ月の手続き期限が決められている相続放棄は、書類取得などを含めて平日に行うことが多くなる。

シンプルな場合は働きながらでも時間を見つけて進めたり、郵送で対処したりできるだろう。

しかし必要書類数が多く、郵送対応でも時間もかかる場合は専門家に任せた方が確実に期限内までに手続きをしてもらえる。

また期限のある手続きは相続放棄だけではない。

相続手続き全体を通していくつか手続き期限が設けられているのだ。

「相続放棄だけに時間を取られたくない」という人は専門家に依頼した方が得策だろう。

期限付き手続きを確認してから決めたい方は「相続の期限つき手続きまとめ!間に合わないとどうなる?対処法も解説」をご覧いただきたい。

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自分でやる際の注意点

相続放棄手続きを自分で行うことになった際、後述する3つの注意点を確認しておこう。

失敗不可

相続放棄をしようと思っていたのに、知らない間に遺産を受け継ぐ行動をしてしまうケースもある。

この場合は相続放棄したくてもできなくなるので、相続放棄に失敗は禁物だ。

被相続人の財産の使用や処分、被相続人の自宅の修繕をすると「財産を相続するつもりで対応した」とみなされるので相続放棄はできない。

相続放棄が否認されるケースは「相続放棄とは?基本情報をわかりやすく解説!自分は検討すべきか確認しよう」で詳しく紹介している。

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ポイント:必ず慎重に最優先で手続きを

財産調査を行う

相続放棄手続きを行う前には、必ず被相続人の財産調査を行おう。

相続放棄はプラスの財産よりもマイナスの財産が多い場合に検討される方法である。

実はプラスの方が多かったと後から知った場合、放棄した人は当然プラスの財産がもらえない。

特にみなし財産と呼ばれる預貯金や不動産以外の将来受け取る財産を合計してみると案外プラスの財産の方が多かったケースも考えられる。

遺産として対象になる資産を正確に把握するようにしてから、相続放棄を行おう。

対象財産について「相続時に税金がかかる財産とかからない財産は?一覧表で相続財産の計算方法を解説!」で詳しく紹介している。

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自分で確認後、不安な場合は専門家に調査を依頼しても良いだろう。

ポイント:「みなし財産」などは見落としやすいので要チェック

相続税を計算しておくと安心

財産調査の結果、資産合計額が3,600万円以上になると相続税が発生する可能性が高まる。

そこで財産調査後にもし相続した場合の相続税がいくら発生するのか、などを計算しておくと相続放棄するか否かの判断材料にもできる。

ちなみに相続税関連の知識は以下の記事でそれぞれ紹介している。

相続税についてはこちら

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相続税率についてはこちら

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3,600万円という目安についてはこちら

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ポイント:現金払いの用意を

時間に余裕を持たせる

相続放棄手続きには3ヶ月の期限がある。

相続放棄手続きはシンプルな場合なら1〜2週間程度で手続きが完了するが、放棄手続き以前にもやるべきことは多い。

そのためあらかじめ相続全体の流れを理解した上で、以下を想定してスムーズに動ける。

  • いつから着手すべきか
  • どのタイミングで放棄について考え始めるべきか
  • 何の手続きが終わった後に放棄手続きをすべきか

詳しい全体の流れは「相続手続きスケジュール!期限と必要書類、手続き場所を簡単チェック!」で紹介している。

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特に「どの手続きと同時進行で相続放棄へ対処することになるのか」の確認をおすすめする。

ポイント:逆算したスケジュール設定を

まとめ

相続放棄の手続きは自分でも可能だ。

しかし、正確に行いつつ期限内に仕上げなければならない。

シンプルなケースや期限まで時間に余裕がある人は自分で手続きを進めて問題ないだろう。

しかし期限ギリギリになりそうな場合や放棄以外にも相談したことが多い人は専門家に相談するのがおすすめだ。

自分で手続きを行うのであれば、時間に余裕を持って正確に財産を把握することを忘れないようにしたい。

放棄手続きの手順と必要書類をあらかじめ確認しておくと焦らないで済む。

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もしも相続放棄自体を行うか迷っている方は発生し得るメリットとデメリットを理解してから判断すべきだ。

詳しくは「相続放棄のデメリット・メリットは?後悔・損しないための注意点7つ!」で紹介している。

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