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相続時精算課税制度の必要書類を簡単チェック!手続き方法、期限も

本記事では、贈与税を抑える対策となる相続時精算課税制度の必要書類と手続き方法について紹介していく。

手続きする上での注意点や期限も紹介しているので、制度の利用を検討している方はぜひご覧いただきたい。

なお相続時精算課税制度自体のメリットとデメリットを知りたい人は「相続時精算課税制度とは?メリットデメリット・使用するとどれくらいお得?」で紹介している。

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目次

必要書類と入手方法

相続時精算課税制度を適用するために必要な書類は主に以下の4つが挙げられる。

取得場所
贈与者と受贈者の名前や年齢がわかる書類戸籍謄本、戸籍妙本本籍地の市町村役場
贈与者と受贈者の関係がわかる書類
制度の申請書相続時精算課税選択届出書税務署、国税庁のホームページ
贈与税の申告書贈与税申告書(第1表、第2表)税務署、国税庁のホームページ

戸籍謄本

相続時精算課税制度は贈与者が60歳以上で、受贈者が20歳未満であることを確認しなければならない。

そのため戸籍謄本や戸籍妙本を本籍地のある市町村役場で取得する必要がある。

その際受贈者の名前、生年月日、受贈者が子または孫である関係性が書かれた書類を発行しなければならない。

相続自体の手続きの際に戸籍謄本や妙本はよく必要になるため、あらかじめ相続で必要になる書類を確認しておくと二度手間にならずに済む。

全体の手続きと必要書類は「相続手続きスケジュール!期限と必要書類、手続き場所を簡単チェック!」で紹介している。

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また戸籍謄本は原本提出が基本であるが、他の手続きで必要な時に使い回したい場合もあるだろう。

そんな時に相続人説明図と呼ばれる相続人の関係を描いた図を添付することによって、還付されるので作っておくと良い。

ちなみに手書きでも作成可能だ。

詳しくは「相続関係説明図をかんたん作成!使用目的・書き方・法定相続一覧図との違いを解説」で紹介している。

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相続時精算課税選択届出書

相続時精算課税制度を申請するための届出書である。

税務署で用紙を受け取ったり、国税庁のホームページでダウンロードしたりすることで取得が可能だ。

提出先の管轄の税務署の名前と提出日、受贈者と贈与者それぞれの氏名、住所、続柄を記入して提出する。

この書類自体の提出を忘れたまま贈与してしまうと、相続時精算課税制度が適用されずに最大55%もの贈与税が課税されるので必ず添付していただきたい。

贈与税の申告書

相続時精算課税制度を利用した際は、贈与税が0円であっても申請書を提出しなければならない。

この書類には受贈者の住所や氏名、マイナンバーを記入していく。

さらに贈与者の住所、氏名、生年月日を記入した上で、誰に、いつ、いくらもらったのかなど申告していく。

贈与税の申告書は税務署で書類を受け取れる。

他にも国税庁のホームページでダウンロードして入力できるので、どちらかお好みの方法で書類を取得しておこう。

計算方法

ここでは相続時精算課税制度を適用した際に、いくら贈与税がかかってくるのかを計算していく。

例えば贈与額が4,000万円であった場合、制度利用で非課税にできるのは2,500万円までとなっているので、課税対象は残りの1,500万円となる。

相続時精算課税制度では、2,500万円を超えた場合の税率は一律20%であるので、ここで計算すると300万円が贈与税と計算される。

具体例

父親が生前に子供に対して制度を使って3,000万円贈与したいと考えた場合、3,000万円 – 控除額2,500万円 = 500万円分が課税対象となる。

つまり、20%の税率をかけた100万円を贈与税として支払うことになる。

ちなみに相続時精算課税制度で発生した税金額と相続税の計算方法が異なる。

相続税全体の計算方法は「相続税率は最大55%!軽減ポイントは二次相続対策の有無!」で紹介しているため、どちらの方が安くなるか一度計算してみてはいかがだろうか。

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また遺産総額と相続人数が分かっている場合の早見表は「相続税の計算表を2パターン紹介!自分の税金額をラクラク計算」で紹介している。

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計算をショートカットしたい場合はこちらの表を見て確認していただきたい。

手続き方法

相続時精算課税制度の手続き方法は主に3ステップで完了する。

必要書類を揃える

前述した4つの書類(個人情報、関係性、届出書、贈与税の申告書)を揃えておく。

戸籍謄本や戸籍妙本を取得するできる市区町村役場は平日営業となるため、もし平日に時間が取れない場合は郵送での対応となる。

郵送は大体1、2週間程度かかることが多い。

そのため余裕を持って書類準備には約1ヵ月程度かかると想定しておいた方が良いだろう。

贈与税を計算

相続時精算課税制度を使うにあたって、贈与税がいくら発生するのかを確認しなければならない。

2,500万円以下であれば贈与税は発生しないので、0円と計算しておく。
2,500万円を超える場合は超えた金額に20%の税率をかけて金額を計算する。

提出

贈与税が計算できれば、書類に贈与税額を記載して管轄の税務署に提出する。

提出したその場で納税することになるが、後日インターネットバンキングを利用して納付することも可能だ。

もし発生している贈与税が30万円以下なら、コンビニエンスストアでも納付できるので覚えておくと良いだろう。

期限

相続時精算課税制度では、申告期限が設けられている。

贈与された年の翌年2月1日から3月15日までの間に申請を行い、贈与税を納付しなければならない。

例えば2022年に贈与された場合は、2023年の2月1日から3月15日までの間が申請期限となる。

相続関係では期限がいくつか設けられており、期限を過ぎるとペナルティとして税金が加算される。

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そのため早めの申告準備をおすすめする。

相続手続きの期限については「相続の期限つき手続きまとめ!間に合わないとどうなる?対処法も解説」で紹介している。

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ちなみにもしも相続時精算課税制度を使わずに、亡くなった後に相続する場合は相続税の申告が必要となる。

申告は10ヶ月までとなっているので、その期間も考慮しながら相続時精算課税制度の利用を検討してみるのも手だ。

注意点

相続時精算課税制度を使う際にはいくつかの注意点がある。

手続きの際には必ず以下の6点を確認して手続きを行うようにしよう。

注意点
  1. 暦年贈与制度が二度と使えなくなる
  2. 小規模宅地等の特例が利用できない
  3. 税負担が反対に増える場合もある
  4. 2,500万円に達するまでは何回も利用可
  5. 翌年110万円以下の贈与行っても申告が必要になる
  6. 制度を利用後に相続放棄しても相続税がかかることもある

暦年贈与制度が使えなくなる

相続時精算課税制度と暦年贈与制度は併用できず、切り替えもできない。

そのため1回でも相続時精算課税制度を使うと、暦年贈与制度を二度と使えなくなるのだ。

暦年贈与制度は年間1人当たり110万円までなら非課税にできる制度である。

毎年贈与金額は変えなければならないものの、確実に自分の相続財産を減らしながら贈与できるとして人気の制度である。

ただし、高額で贈与する場合は税金額が高くなってしまうデメリットもある。

相続時精算課税制度は撤回できなくなっているので、よく考えて選択しよう。

小規模宅地等の特例が利用できない

相続時精算課税制度を使うと、相続税関連で適用できる小規模宅地等の特例は利用できなくなる。

小規模宅地等の特例とは相続時に最大80%まで土地の評価額を下げて計算してもらえる制度だ。

条件はいくつかあるものの対象者なら、小規模宅地等の特例を使うと大きく節税をして相続することができる。

生前に贈与したいのか、亡くなった後に相続という形で土地を渡したいのかを明らかにした上で選ぶべきであろう。

反対に税負担が増える場合も

相続時精算課税制度で贈与された土地の評価額が下がってしまうと、逆に損をしてしまう場合もある。

評価額が上がっていった場合は、贈与されたタイミングでの評価額で計算されるため得することになる。

そのため、評価額が下がる可能性があると使う旨みが少なくなってしまう。

もし評価額が下がる可能性があるなら、相続時精算課税制度で贈与されるタイミングより相続して評価額が下がったタイミングで相続した方がお得になる。

贈与税と相続税自体の比較は「相続税の税率早見表!贈与税とどちらがお得?計算方法を一挙解説【2022年最新版】」で行っている。

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相続税0円の人はお得になる

もし計算をした上で相続時に相続税0円になる場合は、相続時精算課税制度を使うことでお得になる。

相続時精算課税制度+相続財産が最低でも3,600万円以下であれば、相続税と贈与税両方を支払わずに生前に高額な資金援助ができるので、非常に大きなメリットとなる。

もし3,600万円以上になりそうでも、控除や特例を適用することで相続税を下げることが可能だ。

自分が適用される控除がないか確認しておくことをおすすめする。

税金対策など控除については「相続の税金対策は何をすべき?下げる方法20選!相続後も活用可」で紹介している。

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なお不動産を所有すると固定資産税や所得税などいくつかかかってくる税金があるので将来の税負担を想定しておくのも忘れないようにしたい。

不動産相続でかかる税金は「不動産相続したら何をすればいい?スケジュール、手続き、税金について」で紹介している。

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相続時精算課税制度を使って行う贈与は、合計が2,500万円に達するまで複数回行える

2,500万円に達するまでは何回も使用可能

相続時精算課税制度は合計2,500万円まで適用可能である。

そのため1度に2,500万円まで贈与する必要はなく、数年に分けて非課税にできるのだ。

例えばある年に1,500万円分子供に贈与し、翌年に1,000万円分再度贈与してもどちらも非課税になる。

全期間を合計して適用となるので、渡す分の金額も調整しやすい。

なお複数回行った場合は書類も提出しなければならないが、1回でも提出しておけば書類作成の手間も短縮できるため使い勝手の良い制度といえるだろう。

翌年110万円以下の贈与でも申告必要

暦年贈与制度が使えなくなったことで、1年あたり110万円以下でも申告が必要となる。

申告時には贈与税の申告書を再度作成して提出しなければならないので注意していただきたい。

ちなみに暦年贈与制度では基礎控除の110万円以下であれば申告義務はない。

相続放棄をしても相続税がかかることも

相続時精算課税制度を使った後、相続放棄すること自体は可能だ。

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しかし相続放棄しても「相続時精算課税制度を使った金額 + 遺産」で合計して相続税を計算するため、目安として3,600万円以上なら発生した相続税を支払わなければならない。

また相続時に負債があった場合はプラスの財産と相殺されてしまうのでこれを避けるために制度を使うことは禁止されている。

例えば、贈与者に莫大な負債があると分かっていて「相続時は負債を相続しない相続放棄で、プラスの財産だけ生前にもらっておこう」という行為は詐欺行為にあたり、返還しなければならない。

そのため相続時精算課税制度を適用すべきか否かは、負債を確認した上で判断すると安心だ。

負債などの確認方法は「相続時に税金がかかる財産とかからない財産は?一覧表で相続財産の計算方法を解説!」で紹介している。

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ちなみに相続放棄したことによるデメリットもあるので、相続放棄するかどうかよく考えなければならない。

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まとめ

相続時精算課税制度は、贈与者と受贈者の情報と関係性の書類が必要になる。

適用した後は2,500万円までなら何度でも使えるので、生前に子供や孫へ資金援助したい方にはぴったりだ。

ただし相続時精算課税制度は使用しても良いが、そもそも贈与税や相続税がいくらかかるか計算した上で慎重に検討しなければならない。

負債がある状態で制度を適用してしまうと後々不都合が出てくるため、生前によく話し合っていくことが大切である。

「どうすれば税金額を抑えられるか」などの税金関係の相談を税理士してみても良いだろう。

ちなみに市役所などでは無料相談が実施されている。詳しくは「相続相談先はどこにすべき?よくあるトラブル別一覧表と費用削減のポイント」で紹介しているのでぜひご覧いただきたい。

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もし金額が大きかったり、親戚間で相続トラブルに発展しそうであるから制度の利用を考えている方は弁護士へ相談してみるのも手だ。

imva.info
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