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相続の期限つき手続きまとめ!間に合わないとどうなる?対処法も解説

相続手続きの際、様々な手続きがあるため優先順位を決めてから効率的に進めなければならない。

そこで期限あり、期限なしに分けて手続きを理解しておくことで、重要な手続きから優先的に行えるようになる。

主に、相続税などお金が関わる手続きに期限付きのものが多い。

そこで本記事では相続税に関して期限のある手続きとない手続きについて解説していく。

手続き漏れで損をすることがないように、ぜひ参考にしていただきたい。

目次

期限のある手続き

手続きは大きく8つが挙げられる。

  1. 相続権利を手放す相続放棄(3ヶ月)
  2. 借金を背負わないようにする限定承認(3ヶ月)
  3. 準確定申告(4ヶ月)
  4. 相続税の申告(10ヶ月)
  5. 受け取れる最低額をもらうための遺留分侵害額請求(1年)
  6. 死亡一時金の受け取り(2年)
  7. 死亡保険金の受け取り(3年)
  8. 相続税の還付請求の手続き(5年10ヶ月)

それぞれ詳しく紹介していく。

相続放棄、限定承認(3ヶ月)

個人の財産に借金など借入金が多かった場合、相続放棄は3ヶ月以内に申請しなければならない。

ここでの期限は手続き完了でなく書類を出しているかどうかなので、比較的間に合わなかったというケースは少ない。

もしマイナス金額が分からず借金を背負いたくないなら限定承認を選択して、自分の資産を守る対処をすることになる。

マイナス財産がなければ、そのままプラスとマイナスの財産を全て相続することなる。

そのため、自分がどう相続したいのかを考えて3ヶ月までに動き出す必要があるのだ。

自分が権利を放棄するかどうかは「相続放棄とは?基本情報をわかりやすく解説!自分は検討すべきか確認しよう」で紹介している。

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基本的に自分で進めて問題ない手続きなので、放棄が決まればコツコツと書類作成をして手続きを進めていこう。

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ただし相続が複雑化していると無理に自分で対処しようとせずに専門家へ相談した方が良いケースも多い。

「相続放棄手続きは自分でやる方がいい?専門家に頼む場合と徹底比較!」で相談を検討すべきか確認してみてはいかがだろうか。

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故人の税金を支払う準確定申告(4ヶ月)

故人が毎年確定申告を出していた場合、相続人みんなで故人の所得税の確定申告を行わなければならない。

この手続きを準確定申告と呼ぶ。

申告できなくなった故人の代わりに相続人全員が、申告義務を負っているのだ。

申告方法は通常の確定申告とほぼ変わらないため、スムーズに行えるだろう。

税金額を計算した書類を税務署へ書類を提出すれば終了する。

もし故人が年の途中でなくなり年末調整がなされていない場合、勤務先で給料から天引きされていた分の所得税も還付することができる。

相続税の申告(10ヶ月)

相続発生から10ヶ月以内に、相続税を申告して、現金で一括納付しなければならない。

そのために相続税を計算して、税金額を確保しておかなければならないので注意をしておこう。

相続税の計算方法は「相続税の税率早見表!贈与税とどちらがお得?計算方法を一挙解説【2022年最新版】」で紹介している。

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ちなみに分割払いも可能であるが、利子が発生する上に条件も10万円以上と誰でも適用できるわけではない。

正当な理由がある人への救済措置という位置づけになるため、基本的に一括払いの準備をしていた方が良いだろう。

相続税の計算シミュレーションなどを行いながら、自分自身にいくら相続税がかかってくるのか確認して資金を確保しておこう。

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受け取れる最低額をもらうための遺留分侵害額請求(1年)

本来もらえるはずであった金額をもらえなかった相続人は、対象金額を請求できる権利を持っている。

請求された人はすぐに対処しなければならない。

なお請求できるのは、配偶者や子供、両親までと限定されているので注意していただきたい。

詳しい遺留分侵害額請求については「相続で知っておくべき遺留分とは?対象範囲・計算例・法定相続分との違いをわかりやすく解説!」で紹介している。

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遺言書があっても適用されるので、相続時だけでなく遺言作成時も考慮しなければならない。

国保加入者への死亡一時金の受け取り(2年)

亡くなった人が、国民年金に加入し3年以上保険料を納めていると死亡一時金を受け取ることができる。

金額は12万円から32万円と幅があり、2年以内まで請求可能だ。

生命保険加入者への死亡保険金の受け取り(3年)

亡くなった人が生命保険に加入していると、死亡保険金が保険会社より支払われる。

なお前述した先程の死亡一時金と死亡保険金は、相続税の課税対象外なので安心していただきたい。

さらに相続放棄している人も受け取れることになっているため、放棄した人も忘ないように手続きを済ませておこう。

相続税の還付請求の手続き(5年10ヶ月)

支払い過ぎてしまった相続税がある場合、5年10ヶ月までに税務署へ還付請求を行えば払い過ぎた税金が戻ってくる。

5年10ヶ月以内と期間は長めだが忘れないように手続きを行う。

期限のない手続き

期限のない手続きとしては以下の手続きを挙げられる。

  • 遺言書の検認(遺言が問題ないものかどうかの確認)
  • 相続人調査(誰が遺産を相続する権利を持つのかの調査)
  • 遺産分割協議、調停、審判(遺産をどれくらいもらうかの会議)
  • 相続登記(不動産の名義変更)
  • 銀行口座の名義変更

ただここで挙げられている手続きを行わないと、相続税額が確定しないので早めに行っておくことをおすすめする。

遺産分割協議については複雑化すると家庭裁判所での調停や審判行わなければならない。

そのため弁護士が必要になることもあるため、注意しておこう。

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なお相続登記は2022年現在、期限は無い。

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しかし2024年の義務化以降は、3年の期限が設けられるので注意をしておこう。

登記手続き方法は「相続登記の必要書類を一挙解説!手続き方法・期限・費用をチェックして正しい申請を」で確認ができるのでなるべく早めに対処しておこう。

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口座名義人が亡くなったことを金融機関が知った場合、口座凍結され預貯金は引き出せなくなる。

そのため預貯金を引き出すためには名義を相続人に変更する必要があるのだ。

ただしこの相続人は、相続放棄をしていない人にすることを忘れないようにしたい。

相続放棄を行う予定が少しでもある人が名義変更を行うと放棄できなくなるので注意しておこう。

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期限をすぎるとどうなる

罰金

お金に関する手続きを過ぎてしまうと、お金がもらえないもしくは罰金が発生する。

相続税を申請しないと加算税がついた税金を支払わなければならない。

また受け取れるはずであった者も申告しないと受け取る権利がなくなるので注意が必要だ。

詳しくは「相続税の計算は自分でできる!手順をわかりやすく5STEPで解説!計算例付き」で紹介している。

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特例が受けられない

相続した資産に発生する相続税額を抑えるために様々な特例が用意されている。

しかし期限まで相続税納付しない場合、配偶者控除や小規模住宅等特例など相続税を少なくできる軽減制度を活用できなくなるのだ。

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結果的に忘れていて後から申告してしまっても特例等は適用できない。

遅れた分課税される上に特例が使えないのは、大きなデメリットといえるだろう。

相続人が認知症になった場合、複雑化する

期限を過ぎてしまった場合、手続きが複雑化していくリスクが高まる。

例えば相続割合が決まらず手続きを延々と伸ばしてしまっていた場合、相続人の1人が高齢であると認知症リスクが高まる。

仮に相続人が認知症になった場合は、代理人を立てて再度話し合いを行わなければならないため注意が必要だ。

代理人を立てるで承認してもらう手間などもかかり、手続きが長期化してしまう。

期限に間に合わなさそうな場合の対処法

もし相続税の申告期限に間に合わなさそうな場合は、以下のような4つの対処法が取れる。

相続税延納申請書

原則一括現金払いの相続税の納付を、分割払いにすることも可能だ。

延納期間は5年から20年まで延長される。

10ヵ月以内に故人が最後に在住していた管轄の税務署へ提出することで申請できる。

ただし、利子が加算されていくので早めに支払うことをおすすめする。

専門家へ相談

期限ギリギリの場合、通常の依頼よりも高くなるが専門家への依頼が確実だ。

期限を過ぎて「本来受け取れるはずであったお金が受け取れない」「ペナルティーが課される」などの事態は避けておきたい。

そのため、残りの期間で書類の用意や手続きが行えなさそうな場合、早めに相談することをおすすめする。

どの専門家へ何を相談するかは「相続相談先はどこにすべき?よくあるトラブル別一覧表と費用削減のポイント」で紹介している。

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3年以内の分割見込み書

相続税の10ヵ月の申請期限までに遺産分割ができなかった場合、3年以内に分割して申告する旨を申し出ることができる。

話し合いで遺産相続割合が決まらなかった場合などで活躍する方法だ。

分割見込み書を提出しておけば、期限内に行う手続きと同じように特例を適用して後日納付をすることができる。

どうしても間に合わない場合は多めに申告

どうしても間に合わない場合、多めに申告するという手もある。

ただしこの場合は特例や控除を後から適用できなくなるので注意をしていただきたい。

間違っていた場合は5年10ヶ月以内に還付手続きを行えば、払い過ぎた税金が戻ってくる。

しかし申告時に活躍する控除や特例が適用できないだけではなく、計算方法が間違っていて逆に過少申告になるリスクも否めない。

あまりおすすめはできない方法であるが、どうしても10ヶ月以内に絶対に申告したい場合は多めに相続税を申告するという手もある。

まとめ

相続においてはお金に関する手続きが期限の決められているものが多く、早めに着手することをおすすめする。

期限を過ぎると本来受け取れたお金が受け取れなかったり罰金プラスでお金を支払わなければならなかったりする

だからこそまず相続全体のスケジュールを把握し、相続税に関する手続きをいつのタイミングで行っていくか計画立てて進めていかなければならない。

相続税全体の相続全体のスケジュールは「相続手続きスケジュール!期限と必要書類、手続き場所を簡単チェック!」で紹介している。

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目安なども記載しているので、こちらの見ながらどのタイミングで何を行うか確認して相続を見据えて動いていただきたい。

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